相続人が居ない場合はどうなりますか?

最近では生涯独身でその他の身内も先に亡くなってしまったために、相続人になる人物がひとりもいないという被相続人も少なくありません。
そうした被相続人が亡くなった場合には、最終的に財産は国庫に入ることになりますが、それ以前に手間のかかる手続きを経ることになっています。
まず弁護士や司法書士などが相続財産管理人として家庭裁判所に選任されて、そのことが官報で公告されます。

同時に相続人がいれば申し出るように呼びかけがされます。
もしもこの公告から2ヶ月が経過した後も相続人が出てこなかった場合には、被相続人にお金を貸し付けている人や遺言で遺産を受け取ることになっている人がいれば申し出るように公告がされます。
ここで申し出があれば清算がされます。
清算終了後も更に相続人がいないかどうか6ヶ月以上の期間を定めて公告がされます。

それでも相続人が出てこなかった場合には、被相続人の生前に被相続人と生計を共にしていたという人などは財産分与の請求をすることができます。
そしてその後に更に財産が残っていれば、それが国庫に入るのです。

ですから、相続人のいない被相続人が亡くなったからといって、すぐにその財産が全て国庫に入れられるというわけではありません。
また、もしも相続人がいない場合であっても、遺言書によって自分の財産の処分をどうするかを定めておくことはとても大切なことと言えるでしょう。
そうすれば、自分がお世話になった人々にお礼の意味を込めて遺贈を行うこともできますし、特定の団体などに寄付をするということも可能です。

相続人がいない場合には遺言書を作成しても仕方が無いと考える方が多いかもしれませんが、財産をこのような目的で使って欲しいというような願いがある場合には、遺言を作成してそのようにしてもらえるようにしておくのが良いでしょう。
遺言書には遺言執行者を指定しておく必要がありますが、最近ではそうしたことを請け負ってくれるサービスも多々あります。

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